膀胱におしっこが溜まらずなかなか検査が進まない患者さん

私が泌尿器科で看護師をしていたときの話です。
一日のおしっこの回数が多いが、残尿感はないという患者さんがいて、尿に変なものも混じっていないので、とりあえず膀胱をエコーで見てみましょうと言う先生の診断になりました。
エコーで見るといっても、尿の動きを確認することが目的なので、膀胱におしっこが満タンに溜まっている時でないと出来ません。
患者さんには、朝一番のトイレを我慢して来て下さいとお願いしましたが、当日の朝エコーで見てみても、おしっこは全く溜まっておらず・・
7月の暑い時期だったので、どうやら汗で流れてしまったようです。
先生からは、待合室で緑茶を飲んでもらって、おしっこが溜まるのを待つように、と言われたので、言われた通りに緑茶を出し、患者さんにはおしっこが溜まった頃お呼びしますと告げました。
そして30分後、再び先生がエコーししてみましたが全然溜まっておらず・・
また緑茶を飲んでもらって待つことになりました。
患者さんも仕事があって急いでいるようなので、早く溜まればいいなあと待合室に緑茶を運んだところ、なんと患者さんは少し足を開いた状態で、空中便器イスのような格好をしていました。
奇妙な格好に思わず吹き出しそうになりましたが、突っ込んでいいのかわからず、黙って緑茶を差し出すと「早く尿が溜まるようにトイレの格好をしているんです」と真面目に言っていました。
周囲には、通常通り静かに本を読んだりテレビを見たりする患者さんの中で、一人だけ空中便器イスをしている患者さんの姿は滑稽で、皆が横目に見ているようでしたが、本人はいたって真面目。
早く仕事に行くために頑張っているようでした。
でも、その真面目な表情が私の笑いを誘うので、目を反らして一目散に先生のところに逃げ込みました。
その後、きちんと膀胱エコーもとれ、異常はありませんでしたが、待合室で異常な格好を見たのはあの時が初めてです。